ミュシャ展【スラヴ叙事詩】
- Ryoko K.
- 2017年5月29日
- 読了時間: 3分
アールヌーヴォー&美女のポスター画で、日本でも大人気のミュシャ(ムハ)。
その晩年の作品『スラヴ叙事詩』が少し前に来日し、今日やっと行ってきました。

この作品は彼の故郷のモラヴィア地方の美術館にあり、その大きさ故に国外に出ることはないと言われていました。
なので、そこに行かなければ見れない作品だと諦めていたのですが、まさか来日するなんて想像もしていませんでした!!
連日twitterで、行った人達が「100分待ち!」などと叫んでいたのですが、平日なら少しはましだろうと思ったのですが、さすがにこれが最初で最後の来日かもしれない作品!とんでもありませんでした。
乃木坂の駅を降り、改札を出て6番出口に向かったら、開館30分前でそこにはすでに入場待ちの行列が・・・。
とりあえずは開館と同時に中に入れました。
まずは混みだす前に写真を撮れる部屋へと向かいました。

これで開館約10分後です。
ここより前の部屋にはこの数倍の人混みが出来始めてました。
作品を見ながら、頭の中で再生したのは、もちろんスメタナの【我が祖国】。
好きな人も多いかと思いますが、その中の【モルダウ】からミュシャはインスパイアされて、この作品に取り組んだとか。


作品について、何も知識なしに行ってしまったので、公式の図録を近いうちに見たいと思います。



自分が実際目にした色彩を写真やブログで表現するのは難しいですね。
ミュシャ特有の柔らかな人物描写と色彩。
けれど題材が厳しいものなので、ポスター画で目にするような優美な表情ではなく、あのポスター画と同じ画家とは思えないような作品でした。
初めてこの作品を知った時も、大きく見開いた目で、こちらを射抜くようにみつめる人物が印象的で、どこか怖いような気持ちになったのを覚えています。
写真を撮ってはいけない作品で、印象に残ったものがありました。
最初に近くで見た時に、やたらと赤の色彩が強くて、そこから離れて全体を見た時に、それが炎だと気づいて、どうしてか涙が出そうになりました。
同じ部屋の別の作品では、倒れた兵士達の描かれた作品もあり、その表情や雰囲気にも胸が締めつけられました。
平和を願うミュシャの気持ちが込められていたのかもしれないと思いつつ、そこに痛みを感じてしまうのは、現在の世界が危ういからなんだろうとも思いました。
それにしても、やはり東京は苦手です~~!
フランスから帰国してから、都内に出るのは数えるほどで、極力避けています。
(昔は渋谷で仕事してたのですが・・・/笑)
満員電車も久々でしたが、降りたい衝動に何度も駆られつつ「後少し。後少し」と言い聞かせてました。
私にとって「美術館は海外でゆったり見るもの」という認識なので、どこかせかせかとした日本の美術館というのは、残念ながら見た気がしないのも正直なところです。
もし生きてる間に機会があれば、今度は彼の故郷に飾られた「スラヴ叙事詩」を訪ねたいと思います。
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