音楽に恋をする
- Ryoko K.
- 2018年3月22日
- 読了時間: 3分
約1ヵ月ぶりのボイトレは、レッスンをスタートして以来初めて「何を歌うか」を決められず、同時に「歌うこと」を忘れたまま行きました。
先生とのレッスンで声の調子を見てもらって、曲を決めようと思って。
先生と久しぶりに会って言われたのは「なんか雰囲気変わった」という言葉。
それは新しい美容師さんに髪を切ってもらったから?前髪を作ってもらったから?
でも先生は唸りつつ「なんかそういうのとは違う・・・」と必死に言葉を探してる様子。 そして出てきたのは「女度が上がってる。恋してキラキラしてる感じ」!!??
恋??!!恋とな??!!
そんなのしてない!ていうか、先生、それ謎!!
・・・・恋とはなんぞや・・・・。
濃い?来い?・・・池の鯉・・・・・・。
先生の言葉を受け入れることが出来ず、訳が分からないまま、とりあえずレッスンを開始。
発声をしながら突然思い出したのは、以前友人に言われた言葉。
「恋愛の話をしているよりも、音楽の話をしている時の方が楽しそうで幸せそう」
そう!それだ!
ということで、先生に告白しましたよ。
先日ブログにあげた「ひかりふる路」。
今の私は、このフランク・ワイルドホーンの音楽に恋をしているのです!と。
初めてこの作品を鑑賞した時の、あの興奮と昂揚感、そして幸福感。
心が震え、陶酔する、あの感覚。
自分の感性に触れる素晴らしい音楽に出会った時の、言葉に出来ないときめく感じ。
無から生みだされることの凄さ。 それが一人の人の脳から作り出されるという不思議な現象。 そして、完成した作品が私達に与える感動。
久しぶりのその感覚に、舞い上がっている自分がいたようです。
実際、blu-rayを購入してからというもの、毎日「ひかりふる路」を見て(というより聴いて)います。 曲も歌詞も覚えて、暇さえあればそれを口ずさんでいたり。
本当に、恋愛初期の「彼のことしか考えられない状態」そのものですね(笑)。
そして発声を終えて言われたのは「よく声が出てる。多分、前に強く押し出せるパワフルな曲が歌える」とのこと。 なので、いっそ挑戦してしまえと思い切って、以前もやったジキル&ハイドのルーシーの歌を選びました。
「Dangerous Game」と「Good 'N' Evil」
どちらも非常に歌いやすく、楽しんで歌えました。 今回は自分の欠点を気にするよりも、全力で声を当てにいって歌いきった感じで、先生にも「当てて欲しいところにすべて声が当たって響いていた。地声の強い声だった」と仰ってくれました。
でも実はそれ「ひかりふる路」の望海さん達の歌い方そのものだったんです。
先生が言うには、それが明らかに影響しているとのこと。 歌っていなくても、耳から入ってくる音に自分の歌い方が近づいていくんだそうで、先生のようなボイストレーナーの中には、教えている生徒さんの成長途中の音楽に引きずられて、ご自分の音にまで影響することもあるんだそうです。
先生はちょっと苦手に感じるジャンルの音楽の時は、そのジャンルの音楽を聴いて自分をそこに近付けていくんだとか。
イメージトレーニング、てやつですね。
でもよくよく考えてみたら、ピアノで同じようなことしてるのを思い出しました。 好きなピアニストのCDを聴いて、自分も同じような解釈をし、理想の音を思い浮かべてその曲を弾く。
芸事は真似から入る・・・が基本です。
だからこそ、自分の心を震わせるものに出会うことが大切なんです。
今の私が「ひかりふる路」の音楽に恋をしている状態なら、演奏や作曲をすることはもしかしたら「音楽と恋に落ちる」状態なのかな・・・なんてキザな事を思ったりしました(笑)。
でも、恋に落ちるほどの深さで音楽と向かい合えたら、多分、素敵なものが出来上がるはず。
そんな気持ちでピアノを弾き、そしてまたいつか、作曲を通してそんな瞬間に出会いたいものです。

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